鍋はすき焼きがすき

「ちげ」やからチゲ鍋が好きってわけではないんやで

高専ってこんなとこ

現在奈良高専4年 電気工学科の者です。

奈良高専について個人的見解をまとめます。

あくまで個人的な意見なので他高専、他学科の人が書いている記事も見て頂けるといいかもしれない。以下に紹介するのはとても強い人たちですね。

4年前の自分におくりたい高専情報 - ようじょのおえかきちょうyamasy1549.hateblo.jp

高専入学のすゝめ - ふるつきfurutsuki.hatenablog.com

高専についての説明ははぶかせて頂きます

 

 

入試ついて

ちゃんと勉強すればいける。

僕は面接がうまく応答できず、推薦Aで落ちました。学力試験で合格したわけですが、テスト前日に模擬テストをやったんですが、合格点に届いておらず、かなり厳しい状態でした。というのも、勉強が嫌いな体質なので受験勉強なんてしてないに等しく、ずっとマイクラで遊んでいたのを覚えています。覚悟の上、臨んだテストで第一・第二希望の電子制御・情報を逃しましたが、運よく電気工学科へと進学します。今となっては電気工学科の雰囲気が自分と合っていて案外運が良かったなと思っています。

中学では中の上くらいの学力でしたが、勉強不足でもギリギリ入れるくらいのレベルなので、ちゃんと受験勉強してる人は問題なくいけるでしょう。ただ、年によって人気の学科が変わるので難しい時もあるとは思います。

推薦の英語は楽勝です。数学をちゃんとやっておけば何とかなります。

 

学科について

奈良高専の学科(本科)は5つ。

  • 機械工学科
  • 電気工学科
  • 電子制御工学科
  • 情報工学
  • 物質科学工学科

パット見、おんなじようなことやってそうに見える学科もありますが、割と違います。たとえばどんな違う点があるかというと、

  • 進路と、その幅広さ
  • カリキュラムの方向性
  • コンセプト
  • 学科の雰囲気
  • 教員と学生の距離感

ざっくりしすぎててわからないと思うので、それぞれの学科の個人的見解を。

※あくまでも個人的な見解なので参考にはしない方がいいです。

機械工学科(M科)

やんちゃなクラスが多いイメージ。工場を持っていて鋳造とかマテリアル系に強い。空力・流体力学・物質強度とか。デカい機械使って鉄を削ったり作ったり、力学ちゃんとやってる感じかな。個人的には理論と工作の両方のバランス取れてると思う。正直あまり知らないので、嘘言ってるかもしれない。

電気工学科(E科)

僕の学科。フレンドリーで教育熱心な先生が多くて助かる。完全に理論型のカリキュラム。3~4年間ずっと基礎理論を学び、応用力をしっかりつけてからいろんなものを作れるようになる感じ。電子工学・電磁気学・電気回路とか。ちょっと物質的なこともやる。電気の応用性は高いので就職先は多い。最初は基礎ばっかだしつまらないかもしれないけど分かってきたら世界が広がる。

電子制御工学科(S科)

電気科とは違い、工作重視のカリキュラム。一年生から割とロボットとかガンガン触って作っていくイメージ。理論をしっかり学ぶというより、早くから実際にモノに触って感覚つかめって感じ。あんまりよい噂は聞かないけど、なんだかんだで人気の学科。手書きレポートが大変そう。

情報工学科(I科)

いい意味でも悪い意味でも高専っぽい。しっかり情報工学の基礎をやるっぽい。プログラミング必要な時代なので「他の学科に変えてね」と言われればここかな。外向きには花があるように見えるので人気。ただ、実際に花になるようなものを作るには授業では無理らしいので、結局独学にゆだねられるかしら。

物質科学工学科(C科)

白衣でフラスコもって薬品を混ぜ混ぜしてる学科。女子が多い。僕が興味がない分、謎が多い学科なので正直よくわからん。

 

高専生活について

高専生は忙しい?

高専生は忙しい、とよく言われるが間違いである。忙しく過ごさないようにすれば全く忙しくない。何もしなければいいのである。

もちろん部活もレポートもあるので、人並みにはこなす必要があるかもしれない。ただ、忙しいと言われる大半は「自ら進んでやっていること」が忙しい要因のほとんどだと思う。例えばロボコン、もはやブラックとか言われるほどいつでも活動してる。

自分の好きなこととか(良識の範囲内であれば)やりたいことができる環境ではあるので、忙しくてなんぼのもんじゃい!!って感じ。

結論を言うと、高専生は忙しく動いていたほうが「おもしろい」

……と、個人的には思っている。

高専の自由度

勉学以外の活動は学生の主体性・自由性にゆだねられているので、時間の使い方がうまい人はどんどん優秀になっていく。勉強に費やす人もいれば、バイトや音ゲー等の趣味に費やす人もいる。自主的にプログラミング大会や英語プレゼン大会に参加する人もいるし、専門科目とは別に、何か自分の好きなものに打ち込んでいる人が多い。

部活や同好会に関しても自由度の高いクラブが多い。そんな「自由」に甘えて、僕みたいに怠ける人もいるが、一般高校と比べると高専の自由度は思っている以上に高く、その環境を無駄にしない方がいい。僕はそれに気づくのに2年半無駄にした。

交友関係

Twitterをやろう。現在使ってる垢の身バレが嫌なら高専垢とかを作って、高専生と気軽に話せるアカウントがあるかないかで違う。ただ、Twitterばっかりやりすぎ注意。

友達関係は広い方が得。交友関係が苦手でインキャばっかりだろうから楽だろうと思っているなら考えを改めよう。友人伝いの過去問入手が困難になったりして、すぐ辛くなるのが目に見えている。基本的にいいやつばっかりだから大丈夫だけどな。

寮から通っている学生は先輩・後輩との繋がりが強く、情報量がすごい。寮生を味方につけられるかで高専生活は変わる。

また、先生とも仲良くしておけば、わからない所を気軽に聞きに行けるし、僕が興味のありそうなイベントや情報を提供してくれる。

高専のよいところは、他高専の学生と繋がりやすいっていうのもある。高専は閉鎖環境なのでせめて他高専生とのつながりを持っておくことは大事。部活繋がりでもいいし、高専カンファレンスに参加するでも良し。どんどん高専外部のイベントに参加し、そういう周りの流れに敏感になると、自分にとってめっちゃうまい話が回ってきたりする。

学生会執行部

学生会執行部という、中学で言う生徒会みたいなのがある。最初は各クラスから平均1~2人くらい出てくるけど、学年が上がるにつれて徐々に減っていく印象がある。

言いたくないが、地味で仕事が多く、人材不足問題を抱えている。正直改革する必要があると思う。学生が学校組織に対していい印象を持っていないのが大きい。

奈良高専生の大半は「学生課はクソ。校長誰やしらん。」という認識なので仕方ない

各委員会

奈良高専には3つの委員会がある。

図書委員会・生活委員会・広報委員会

図書委員会は本好きの学生が集まるので、学生会が動かなくても自主的に活動をしている印象がある。購入図書を選べる権限があるので当たり前ではある。

広報委員会は地味な委員会だったが、去年僕が会長になって色々やり始めたのでちょっと活気が出てきた感じはする。お絵かきとかポスターとか作りたい人、デザインしたい人はオススメ。

生活委員会は校内の清掃や美化活動、キャンペーンなどを行っている。最近、委員会メンバーは清掃活動に強制参加になり、サボるとペナルティとかいうシステムに変わり、正直もう終わったなと思っている。委員会自体、学生の自主性で成り立っているのに、熱心な学生がいなくなって委員会存続のためだけに活動しているような状況。今一番改革を行う人材が現れるべき委員会だと個人的に思っている。

 

進路について

本科に5年間通い、その後だいたい、大学編入・専攻科・就職の3パターンがあるが、進学と就職はだいたい半分ぐらい。もちろん年によってばらつきはある。

専攻科は卒業研究で懲りなかった人たちが高専の汁を最後まで搾り取る研究ができる。

大学編入なら勉強しろやオッラーン!

3年生で高卒資格がもらえるのでクラスに1人くらいは中退して大学受験する人もいる。

 

電気工学科について

電気工学科について書く。ほかの学科はよく知らないから他の高専生に聞け!

幅広い電気についての知識を身につけてから遊ぶ学科。

勉強について

数学は、高校数学のように受験のためのものと言うより、技術で使うために数学を習うので、高校数学ではやらない事をやったり、普通やることをやらなかったりする。

最初のうちは数学が苦手だからといって専門分野が出来ない!なんてことはないが、直に数学が出来ないと電気は何も出来なくなる。

 

国語と英語は真面目にやってればなんとかなる。高専の英語力は全体的に低いので、3年生からあるTOEIC対策をちゃんとして、500点取ればもはやヒーロー。学年に一人くらいは900点を取るような帰国子女がいたりするけど、みんなほとんど300点台だし。

 

プログラミングはほとんどやらない。C言語によるArduinoを使った埋め込みプログラムくらいかな。独学でプログラミングやってる人は割と強くて、卒業研究で使ってたりする。プログラミングできて損は無いので自力で学ぶのが吉。(結局プログラミングは独学が一番早くて強くなるので情報科でも同じことがいえる)

3年生までは電気の基礎知識をしっかり学ぶ。電磁気は最重要で3年生が大きな山場。考え方の全ての基本になってくる。そこをクリアすると、今までの知識が繋がって楽しい応用の世界に入っていく。

 

四年生の、パワエレ(パワーエレクトロニクス)は花があるので好きな人は多い。電力変換回路っていう授業。

  • パソコンとかのACアダプターの構造は?
  • 回路を小さくして効率を上げるには?
  • プリウスの電源技術とは?
  • ベテランになって掴む電気の感覚をたった2回の授業で身につけよう!

とかとか、好きな人は好きそうな即戦力系の授業。

 

ほんとに電気っぽいことをやりたい人は、電気回路を弄るというより電気素子の開発研究とかになってくる。物理と化学の知識は必須。1年生からゆるい感じで始まる授業だが甘く見ない方がいい。そこにつながる授業内容をいうと、量子力学の基本を学ぶ電子工学とか電気電子材料。原子の構造や電子の動きから電気素子の特性を理解する感じ。難しいが理解できると、世の中のあらゆる物体はこうして成り立っているのかと感慨に浸れる。

 

実験について

2年生から本格的に始まる。授業で習ったり、いずれ習うであろう素子の特性を、実際に回路を繋いで測定して確認する。測定機器の扱い方や、うまくいかない時の原因発見力、レポートの正しい書き方などが身につく。

レポートは正直面倒で、つらいものではあるが、他学科と比べると電気科はかなりイージーモード。最初にちゃんとレポートをどんな感じで書くか指導してもらえるし、必要な項目が丁寧にわかりやすく、かつ短くまとめてられているものが評価される。当たり前のことだけど、文字数いっぱい書いて枚数沢山のものが評価される学科もあるので。

最初は手書きで書かなきゃいけないけど、半年頑張ればWordで書くのがOKになる。最初の頃は、図を描くのは手書きの方が楽だったりするので慣れが必要。Excelなんかも使うようになってOffice製品の強さを知ったりする。